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A.N.JELLの宿舎では
朝の情報番組の番宣に出演のため、ミナムはまだ日が昇ってないうちに起床した。
隣の部屋を覗くと、ジェルミはまだ夢の中らしい。
とりあえず先にシャワーを済ませてたのち、再びジェルミをやや乱暴に起こす。
それでも覚醒しきってない彼には、シャワールームに押し込み水攻めの洗礼を受けてもらう。
「もうっ何すんだよ…冷たい!!」
「漸く目が覚めたんじゃないか…良かった良かった」
ちょっとかわいそうだと思ったが、寝起きの悪さゆえ仕方がない。
キッチンへ戻ったミナムは、冷やしておいたアイスティーを一気飲み。
この間シヌにあったときに、もらったものである。
ミニョもお気に入りだと聞いて、飲んでみたくなったのだ。
ふと、テーブルにおいていた携帯が反応していることに気付く
『もしもし…オッパ?今電話しても大丈夫』
「ああ…平気だけど…どうしたんだ?そっちは夜中だろう?」
可愛い妹からの電話は嬉しいのだが、すぐに時差を計算してしまう。
入院しているミニョが起きている時間としては遅すぎるのだ。
「ごめんね…なんだか眠れなくて…そうしたらオッパの声が聞きたくなっちゃった」
『全く…そんな可愛いことこと言われたらオッパは強くいえないなぁ。』
異国で怪我をして記憶障害の妹。
信頼できるシヌが傍についているとはいえ、いつだって気にかけている。
一番気になっている体調のことを尋ねると、リハビリは順調に進んでいるらしい。
『あとね…ホームパーティに誘われたんだ』
「そうか…良かったな?楽しんで来いよ」
シヌの共演者達と、内々で行うという。
ずっと病院にいたミニョにとって、気分転換になるはずだ。
その後もお互いの近況を話していたのだが…
やがてミニョが何かを言いかけては、やめることに気付いてしまう。
「ミニョ、困っていることがあればオッパに話してみろよ」
『うん…困ってるってことじゃないけど…ちょっと聞きたいの…今日ねシヌオッパが私の頭を撫でてくれたんだ…でね?その感触がなんだかすごく懐かしくて…以前も良くあったのかなって…ちょっと思って』
ミニョの質問に、ミナムは少々困惑してしまう。
ミナムが晴れてグループの一員となったとき、ミニョはテギョンの恋人になっていた。
そしてすぐに、海外ボランティアに参加。
シヌがミニョに思いを寄せていることはすぐに気付いたが、二人が一緒の姿をあまり見ることはなかったからである。
「オレは見たこと無いけど…二人きりのときだけだったとか?何かひっかかるのか?」
『ううん…そういうわけじゃないけど…あ…なんだか眠くなっちゃった…じゃオッパも仕事がんばって。あとか風邪引かないようにね。それからジェルミさんにもよろしく伝えて』
「うん…じゃあ、いつでも掛けてこいよ。オッパも掛けるから」
通話を終えたあとも、しばらく手元の携帯をじっと眺めるミナム。
やがて…シャワーを終えたジェルミが戻ってきた。
「ああ…スッキリしたぁ」
「そうか…ジェルミも飲むか?」
ミナムがアイスティーを指差す
「うん…ガムシロップ3個入れてね」
「うぇ…甘すぎんだろう?」
甘党のミナムでも引くほどだが、ジェルミは美味しそうにごくごく飲んでいる。
きっとジェルミとっては、あれが普通の味なんだろうと思うのだ。
「じゃ…髪やってくる」
殆ど毎日髪型を変えるジェルミは、今日はどのスタイルで行くか傍で見ているのも楽しみである。
「あっそうだ…ミニョが電話でよろしくってさ」
「えー!!ミニョが?電話きたの?いつ?」
ミニョからの伝言を伝えただけなのに、いきなりの質問攻め。
つい今しがたと伝えると、今度は何故そのときに教えてくれないかと拗ねられてしまう。
ジェルミもミニョと話しをしたかったというのだ。
だが…面と向かってならともかく、電話はまだ難しいということを伝えるとジェルミも察してくれたようだ。
「ところでさ…ミニョってここでオレの身代わりをしていたときなんだけど、たまにシヌヒョンに頭をなでられていたことってあった?」
「はっ何言ってるの?」
不意に投げかけた質問に、ジェルミは信じられないといった反応をする。
(ミニョの思い違いか?)
だが、ジェルミのそれは真逆の理由であった。
「たまにじゃなくて、ほとんど毎日だよ。ううんそれどころか1日に何回も。
オレ…ほら前にいったじゃない?シヌヒョンがあんまり優しいから嫉妬したって…」
ジェルから聞いた事実に、ミナムは驚いてしまう。
テギョンの手前控えていた行為は理解できたが、今の状況でなら自然と出るはずなのだ。
それなのに、ミニョは今日始めて撫でられたという。
(わざと?)
一瞬考え込むミナムを、ジェルミは怪訝そうに覗き込んだ
「ねぇ…それがどうしたんだよ?」
「あっいや…その…そうだ!!ミニョがシヌヒョンのドラマの共演者達とパーティをするってさ」
ジェルミの追求を誤魔化すため話題を変えたると、思いのほか食いついてきた。
日程の詳細を聞かれたが、残念ながらそこまでは聞いていない。
「もうっなんで聞いてないんだよ。あの生意気な奴も参加するんだろう?
オレもパーティー行きたい!!ねぇもう一回ミニョに電話してよ」
「無茶言うなよ。もう寝てるって!!それにオレ達にそんな時間あるわけないだろう?スケジュール詰まってんだからな…おいジェルミなにやって」
駄々っ子発言呆れるミナムを尻目に、なぜかジェルミは電話を手に持っている。
「あっもしもしシヌヒョン?今大丈夫?え?うん元気だよ…だけどねシヌヒョンがいないとすっごく寂しいよ。」
自然に甘えた声でシヌと話すジェルミ。
こういう部分は、まだミナムには真似できない。
そして、ジェルミの電話の目的はといえば…
「ところでさーパーティするんだってね。え?何で知ってるって?ヘヘなんででしょう?
うん…バレちゃった?でね、いつやるの?分かったまた電話するからじゃあね!!」
「全く…わざわざシヌヒョンに聞くことじゃないだろう?行けるはずもないんだから」
パーティ好きのジェルミに、ミナムは閉口する。
「それがそうでもないんだなーこの前のミナムとのロケが結構好評で第2弾があるっていわれたんだ。まだはっきり日にち決まってないから、パーティにあわせてもらうんだもん」
「はっ第2弾だって?…聞いてないぞ…それに運よく日程が合ったとしても、行けるかどうかわかんないだからな?」
あの番組はジェルミがメインだから多少は融通がきくのかもしれないが、こっちの都合だって聞いてほしいとミナムは心の中でぼやく。
しかも、誘われてもいないパーティのためだ。
「大丈夫だよ。オレとシヌヒョンの中だし、ミナムはミニョの兄さんだろう?それに絶対オレがいたほうが盛り上がるもん。」
「はぁ…おまえなぁ…そのポジティブ発言は、ほんと尊敬するよ」
自信満々なジェルミに、ミナムは溜息しかでない
「なんとでも。ああミニョに会えて一緒にパーティも出来るなんて楽しみだー」
小さな子供のように目をキラキラさせるジェルミ。
おそらくジェルミの願いは叶うのだろうと、ミナムは苦笑していた。
だが…早朝二人きりだと思っていた宿舎の中
ジェルミのテンションにあわせてミナムもつい声が大きくなっていることに気付かなかったのは仕方がなかったのかもしれない
ドアの向こう側で
海外の仕事から1日早く帰宅したテギョンが
この話しを聞いていたことを
(ミニョだって…どういうことなんだ!?)
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これまでは、ミナムの回想シーンの中での出演だったテギョンさん。
ついに本格的に登場となりました。
シヌミニョにとって最大の壁になるのですが、彼が出ないと盛り上がりません。
ここから、どう絡んでゆくかは…いつもの如くのノープランです。