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ROULETTE 21
それからもミニョは、以前にもましてリハビリに励むようになった。
だが、そのメニューはシヌの想像よりはるかにハードになっているのだ。
あせらずにゆっくりで良いと声を掛けるが、ミニョは小さく笑って首を横に振る。
“心配しないで、シヌオッパ!!1日も早く自分だけで動けるようになりたいの”
素直だが頑固なミニョだから、言い出したら聞かない。
この日はロケが予定より早く終わり、そのまま病室へ向かうとミニョは不在だった。
「あら?こんにちは。今はリハビリ中ですよ。あと15分ほどで、戻ってくると思います」
シヌに気付いたのは、ミニョの担当の看護師である。
いい機会だ。ミニョの様子をそれとなく彼女に聞いてみる事にした。
「このところ、リハビリをがんばりすぎているんじゃないかと思うんですが」
「大丈夫ですよ。患者さんそれぞれに合わせたメニューです。ただミニョさんには、がんばりたい特別の理由があるようですけど?」
シヌに心配を一蹴した看護師は、思わせぶりの言葉を残してその場を離れた。
(特別な理由…?)
シヌには全く検討も付かないが、医療のプロからの言葉を聞いて少しは安心できたようだ。
しばらくすると、カタカタと車椅子の音が聞こえてきた。
ガラガラと扉を開ける音に続いて、入ってきたミニョ。
「リハビリお疲れ様ミニョ」
「シヌオッパ…いらしてたんですね?ごめんなさい待たせてしまいましたか?」
シヌの姿を見るなり、申訳なさげな表情のミニョ。
「いや・・少し前に来たばかりなんだ。撮影が予定より早くおわったからね。それよりもそんな風に俺に謝らなくても良いからね。前から何度も言ってるけど俺がミニョの顔を見たくて勝手にここに来てるんだから。それに待っている間ミニョが頑張っているんだなあって想像してたし。ねっ?」
「はい…シヌオッパ」
シヌの言葉に、今度ははにかんだ顔を見せてくれるミニョ。
そういえばぎこちなかったオッパ呼びは、かなりスムーズになって来ている。
シヌ自身も、この呼ばれ方に馴染んでいるようだ。
先刻看護士にいわれてはいたが、やっぱりミニョの身体が気がかりだ。
辛くないかと尋ねると、始めのころより体力が付いてきたという。
確かにミニョの頑張りは、ミナム時代に証明済みである。
「わかった…だけど絶対に無理しちゃダメだ。いいね」
「はいっシヌオッパ」
頬にそっと触れると、コクコクと頷くミニョ。
本当は、ミニョが頑張る理由を聞きたかった…
だけど、ミニョの全てを知りたいなどと言うのは思い上がりも甚だしい。
(あいつなら…有無を言わさず聞き出そうとするんだろうな)
自分には決して真似のできない横暴ともいえる行為が、許されていた男。
本当は羨ましくて仕方なかったのかもしれない。
「オッパ…シヌオッパ?どうなさったんですか」
「あ…ごめんごめん!!ちょっとぼうっとした」
病人のミニョに気を煩わせることがあってはいけない。
シヌは普段どおりの優しい微笑をミニョへと向けたのだった。
それから程なくして…近づく複数の足音…
ミナムとジェルミかと思っていたのだが…
『あっあの…こっこちらです!!』
ミニョの担当の看護師の声が聞こえてきた。普段の声よりゆうにオクターブは高い。
だがその理由は、すぐにわかった。
「やぁ…」
ノックに続いて…やってきたのはアレクだ。
病室へ案内してくれた看護士にお礼を伝えると、彼女は真っ赤な顔をして立ち去った。
どうやらアレクの大ファンだというのは、本当らしい。
「あの…」
ミニョは突然現れた、カイルに緊張の色が隠せないようだ。
元来人見知りなのだから、無理もない。
「ミニョ…顔は知ってるよな?ドラマの共演者で主演の…」
「その先は俺から自己紹介させてくれよシヌ。初めましてアレク・J・フリードです」
シヌを遮ったアレクは、ミニョのベッドに近づくとその場で屈んでいる。
長身のカイルだから、ミニョを威圧しないようにと目線の高さを合わせた配慮なのかもしれない。
もちろんその存在感は、さほど変わらないようだが
「はっ初めまして…コ・ミニョです」
簡単な挨拶程度なら、話せるミニョ。
「アレク…来るなら言ってくれれば一緒に来たのに」
撮影のときは一言も言ってなかったアレクに、思わず苦言を呈してしまった。
それからもミニョは、以前にもましてリハビリに励むようになった。
だが、そのメニューはシヌの想像よりはるかにハードになっているのだ。
あせらずにゆっくりで良いと声を掛けるが、ミニョは小さく笑って首を横に振る。
“心配しないで、シヌオッパ!!1日も早く自分だけで動けるようになりたいの”
素直だが頑固なミニョだから、言い出したら聞かない。
この日はロケが予定より早く終わり、そのまま病室へ向かうとミニョは不在だった。
「あら?こんにちは。今はリハビリ中ですよ。あと15分ほどで、戻ってくると思います」
シヌに気付いたのは、ミニョの担当の看護師である。
いい機会だ。ミニョの様子をそれとなく彼女に聞いてみる事にした。
「このところ、リハビリをがんばりすぎているんじゃないかと思うんですが」
「大丈夫ですよ。患者さんそれぞれに合わせたメニューです。ただミニョさんには、がんばりたい特別の理由があるようですけど?」
シヌに心配を一蹴した看護師は、思わせぶりの言葉を残してその場を離れた。
(特別な理由…?)
シヌには全く検討も付かないが、医療のプロからの言葉を聞いて少しは安心できたようだ。
しばらくすると、カタカタと車椅子の音が聞こえてきた。
ガラガラと扉を開ける音に続いて、入ってきたミニョ。
「リハビリお疲れ様ミニョ」
「シヌオッパ…いらしてたんですね?ごめんなさい待たせてしまいましたか?」
シヌの姿を見るなり、申訳なさげな表情のミニョ。
「いや・・少し前に来たばかりなんだ。撮影が予定より早くおわったからね。それよりもそんな風に俺に謝らなくても良いからね。前から何度も言ってるけど俺がミニョの顔を見たくて勝手にここに来てるんだから。それに待っている間ミニョが頑張っているんだなあって想像してたし。ねっ?」
「はい…シヌオッパ」
シヌの言葉に、今度ははにかんだ顔を見せてくれるミニョ。
そういえばぎこちなかったオッパ呼びは、かなりスムーズになって来ている。
シヌ自身も、この呼ばれ方に馴染んでいるようだ。
先刻看護士にいわれてはいたが、やっぱりミニョの身体が気がかりだ。
辛くないかと尋ねると、始めのころより体力が付いてきたという。
確かにミニョの頑張りは、ミナム時代に証明済みである。
「わかった…だけど絶対に無理しちゃダメだ。いいね」
「はいっシヌオッパ」
頬にそっと触れると、コクコクと頷くミニョ。
本当は、ミニョが頑張る理由を聞きたかった…
だけど、ミニョの全てを知りたいなどと言うのは思い上がりも甚だしい。
(あいつなら…有無を言わさず聞き出そうとするんだろうな)
自分には決して真似のできない横暴ともいえる行為が、許されていた男。
本当は羨ましくて仕方なかったのかもしれない。
「オッパ…シヌオッパ?どうなさったんですか」
「あ…ごめんごめん!!ちょっとぼうっとした」
病人のミニョに気を煩わせることがあってはいけない。
シヌは普段どおりの優しい微笑をミニョへと向けたのだった。
それから程なくして…近づく複数の足音…
ミナムとジェルミかと思っていたのだが…
『あっあの…こっこちらです!!』
ミニョの担当の看護師の声が聞こえてきた。普段の声よりゆうにオクターブは高い。
だがその理由は、すぐにわかった。
「やぁ…」
ノックに続いて…やってきたのはアレクだ。
病室へ案内してくれた看護士にお礼を伝えると、彼女は真っ赤な顔をして立ち去った。
どうやらアレクの大ファンだというのは、本当らしい。
「あの…」
ミニョは突然現れた、カイルに緊張の色が隠せないようだ。
元来人見知りなのだから、無理もない。
「ミニョ…顔は知ってるよな?ドラマの共演者で主演の…」
「その先は俺から自己紹介させてくれよシヌ。初めましてアレク・J・フリードです」
シヌを遮ったアレクは、ミニョのベッドに近づくとその場で屈んでいる。
長身のカイルだから、ミニョを威圧しないようにと目線の高さを合わせた配慮なのかもしれない。
もちろんその存在感は、さほど変わらないようだが
「はっ初めまして…コ・ミニョです」
簡単な挨拶程度なら、話せるミニョ。
「アレク…来るなら言ってくれれば一緒に来たのに」
撮影のときは一言も言ってなかったアレクに、思わず苦言を呈してしまった。
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