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ROULETTE 18



記憶障害になったミニョとの再会で、初めこそぎこちない様子のジェルミだったが


徐々に持ち前の明るさでをフルに発揮してミニョに接する。


ANJELLの動画を見ていると知ったので、特にジェルミがカッコ良く映っている


(あくまでも本人の申告だが)ものをプレイリストにいれている様だ。


 


「ほらぁ!これオレのスーパーテクだよ。凄いでしょう?」


「はい!!どうやってるんですか?マジックみたいで尊敬します」


ジェルミのペースにすっかり載せられているミニョ。


思い起こせば、ミナム時代のミニョはこうしてよくジェルミと盛り上がっていた。


 


「おい!!自分ばかりプッシュかよ?ミニョ!オッパのほうがもっとカッコイイのあるからな!!」


ジェルミに対抗するミナム。


今回ばかりは、シヌは完全に蚊帳の外の扱いらしい。


3人の楽しげな様子を、見守っていた。


 


やがて時間はあっという間に過ぎてしまう。


時折ミニョが目に手をやるしぐさに気付いたシヌは、今日は早めに引き上げることを提案した。


 


「えー!!もう?まだ良いだろう?」


真っ先に漏れるジェルミの不満の声。


 


「だめだ!!ミニョが疲れてしまうだろう!!行くぞ」


半ば強引にジェルミの方を掴むシヌ。


だが、続いて立ち上がりかけたミナムに対してはそのままでいるように促す。


 


「隣にベッドがある。今日は付いていてやってくれ。ミニョも久しぶりだからミナムがいたほうがうれしいよな?」


「えー良いなぁミナムは」


この期に及んで実の兄のミナムと対等に張り合うジェルミに、ある意味尊敬の念を抱くシヌ。


あげく一人でホテルに戻りたくないといいだしたので、妥協案として提案したのは…


シヌの部屋を来ること。


途端にジェルミは、上機嫌になった。


 


「やったー!!シヌヒョンのところに泊まれるんだ。それならいいよ!!」


気分のUPDOWNが激しいジェルミを、ミニョは呆気にとられてみていた。


今後はこれが日常茶飯事になるということに、今のところ気付いていないだろうが…


 


病院からの道すがら、シヌはジェルミに話しかける。


「ミニョに会って、良かっただろう?」


「うん…ほんというとさ、すっごく怖かったんだ。ミニョの記憶の中にオレがいないってことが。だけどミナムに言われた。シヌヒョンがここでミニョと再会した時は記憶障害のことなんて予想できなくて、もっと辛い思いをしたんだって。それと比べたら恵まれているだろうって」


しんみりと語るジェルミ。


さっき追いかけたミナムがそんなことを…確かにそれは合っている。


 


「ミナムの言うとおりだ。ミニョが目覚めたときの“誰”は、今だから言うが


かなりのダメージだったよ。それに引き換えジェルミは、存在を認識されていてちょっと羨ましかったな」


 


「へ…へぇそうなんだ。でもさ!それってシヌヒョンが傍にいてくれたからなんだよね。


ミナムとも話したけど、シヌヒョンがいなかったらミニョはどうなっていたんだろうって想像するだけで怖いよね」


そう語るジェルミの表情は、少しだけ大人びて見えた。


少し会わないうちに成長していたのだと、頼もしくもありだけど…少しだけ寂しく思う。


 


そうして話しながら家の前に着いた時だった。


 


「シヌ!お帰りー♪」


隣の部屋から顔を出したのは、カイルである。


 


だがシヌが返事をする前に、声をあげたものがいる。


 


「あー!!お前ー!!さっきのうそつき男だー!!」


「誰?」


指を突き刺すジェルミに対してカイルは怪訝な表情である。


 


「とぼけんなよ?変な道教えやがって!!」


「え?ああ…何だ…ねぇこいつシヌの知り合い?」


興奮するジェルミに構わず、シヌへ尋ねてきた。


「知り合いっていうか。同じバンドのドラマーだ。動画で見て知ってたんじゃないのか?」


以前ミニョがリピートしていた映像に付き合わされたという話があった。


当然ジェルミだって目にしている筈なのだ。


 


「ああ~!!ごめんねー。覚えてなかった。やたらと目力ハンパないボーカルと、ミニョの双子の兄さん?は覚えていたけど、ドラムって印象薄かったのかな」


「何だって!!失礼な奴だな…大体さっきからやけにシヌヒョンに馴れ馴れしいけど誰だよ?」


揶揄するカイルに、ジェルミの怒りは再燃したようだ。


だが…どうやらジェルミもカイルが何者かというのは気付いてなかった。


 


「やめろ!!近所迷惑になるだろう、ジェルミとにかく入れ…ああカイルもだ」


二人を促すシヌ。まさかこんなことになるとは思いもよらなかったのだ。


 


部屋へ入るのは初めてのジェルミは、キョロキョロとあたりを見渡し少し落ち着かない。


対するカイルといえば勝手知ったるなんとやら、真っ先に椅子に座ってしまう。


そしてジェルミは間を大きく開けて反対側へ腰掛けた。


 


(やれやれ…)


当然シヌの場所は二人の間となる。


初めにジェルミのほうを向き、カイルを紹介する。


ドラマの共演者だと伝えると、はっとした後に決まり悪そうな表情だ。


 


「ほら?そっちだってシヌのドラマ観たんだろう?オレのこと気づかなかったくせに」


「だっだって…ドラマではこーんな眼鏡かけてたし、印象違ったんだ。そっそれに


主演とあのキレイな女優さんしか目に入らなかったんだよーだ」


指で大きな輪っかをつくり、先刻のカイルの言葉をそのままそっくり返すジェルミ。


 


「「フン!!」」


二人同時に、プイと顔を横にそらず。


まるで似たもの同士の二人だ。この状況がいつまでも続くのはシヌとしてはやりにくい。


何となく気まずい雰囲気が続く中、言葉を発したのはカイルである。


 


「ねぇねぇ…シヌお腹すいた…ご飯たべたい」


「おいっお前!!シヌヒョンに作らせるのか!!生意気だぞ」


遠慮のない言葉に、ジェルミが大きく反応した。


 


「えー?だっていつものことだもん・・ねぇシヌ?シヌって本当に料理上手だよね」


何故がわからないが、やけにジェルミを挑発するカイル。


だが…シヌが料理上手ということはジェルミにも当然知っていることだ。


 


「そんなのとっくに知ってるよ。俺はずっとシヌヒョンと同じ宿舎でくらしていたんだからね」


付き合いの長さで言えば、ジェルミのほうが上だ。


 



「だっだけど…こっちに来てからは、殆どシヌが作ってくれるんだから!!」



「じゃあ…全部で何回だった?絶対オレのほうが多いに決まってるよーだ」



ワーワーギャーギャーと再び言い争いの始まった二人を無視して、シヌはキッチンへ向かった。


 


 


そして30分後…


「わぁい…シヌヒョンの料理やっぱり美味しいな」


口の周りソースだらけにして、頬がるジェルミ。


まるで子供のようだが、こんなことが嫌味なくできるのはジェルミならではだ。


 


対するカイルは…ジェルミの食べっぷりを呆然と見ていたが


負けずに、大口を開けている。


 


そして二人同時の『お代わり!!』


二人の勢いに、シヌは呆気にとられるしかなかった。


 


食事の後は、ジェルミがDVD鑑賞をしようと言い出す。


 


「オレがメインなんだよ!!シヌヒョン見たことないよね?」


「ああ…まぁな…だけど」


シヌはちらりとカイルを見る。


韓国のバラエティ番組だから、言葉がわからないと楽しめないと危惧したのだ。


 


「オレの事は気にしないでいいよ」


「ほら!!あいつもそういってるし…早く見よう!!」


やられっぱなしだったカイルに対して、形勢逆転となったジェルミは


水を得た魚のように生き生きとし始め、番組をみて更に解説付きという


ファンから見れば、かなり贅沢な状況であった。


一方のカイルは、時折笑って見ている。


言葉は理解できなくても、バラエティでの笑いのつぼは同じなのかもしれない。


 


それから数時間…


急にジェルミが静かになったと思ったら、シヌの肩に寄りかかっている。


 


「しぬひょん…オレ…ひとりでちゃんと回してがんばってるんだよ…」


どうやら寝言らしい…


 


「そうだな…オレには出来そうもない…えらいぞジェルミ」


「うん…」


シヌが素直に褒めると、ジェルミの口元は満足そうに緩む。


だが…このままでは、肩が辛い。


 


「シヌ…ベッドに運んだら?用意してきたよ」


「ああ…ありがとう悪いな」


タイミングが良いと思いつつ、ジェルミを寝室へ連れて行った。


 


「あ~あ…世話焼けるよね?」


「お前がそれをいうか」


日頃同じようなことをしているカイルの発言を聞いて思わずシヌは苦笑する。


それから間もなくして部屋に戻ると言い出したカイルは、帰り際意外な言葉を残した。


 


「あいつが起きたら、ちょっとやりすぎてごめんね伝えておいてよ。あとドラム叩きながら歌ってる映像ってカッコ良かったてさ…じゃお休み♪」


 


「あっおいカイル」


シヌが何か言う前に、パタンと閉まったドア。


カイルのほうはジェルミの存在に気付いていたのに、何故?


シヌは怪訝に思うが、からかいが過ぎたくらいでそれほど深く考えることはなかった。



=========================================


ミニョちゃんの特別室に、ミナムがお泊りになりました。



(シヌもOKなのですが、今のところとまった事はありません(汗))
積もる話もあるでしょうし…(ミナムだけにしかいえないことも…)

そしてジェルミに遠回りさせた犯人は、予想通りのカイルくんでした。
シヌを廻って張り合う二人。
やっぱりどこでも人気のヒョンです。
帰り際にカミングアウトしたカイルくん。
彼の真意はどこにあったのでしょうね



 

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