忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ROULETTE 22

「悪い、ちょっと訳あり…ほら?いつまでもそこにいないで早く来い」

アレクの呼びかけに、入ってきたのはリタである。
つかつかと入ってきたと思ったら、ミニョの前で立ち止まった。

「ミアネ…」
「え?」
リタの口から出た謝罪の言葉…ましてや韓国語だったため…ミニョは目を丸くさせている。

「おいっリタ。単刀直入すぎるだろう?シヌ。この間の事でリタが謝っていることを彼女に伝えてくれないか?」
「この間のことって…ああ」
帰りの車の中でケンカをして一人車を降りたリタが、ここへやってきてシヌに絡んだ日のことらしい。
そのことをミニョに伝えると、自分のほうこそ折角きてもらったのに
挨拶もしないで申訳ないということを、自分の口で伝えたいと言ってきたので
ベッドの端にあったメモ用紙ととると、さらさらとペンを走らせる。

「疲れているからと、失礼な態度をとってしまってごめんなさい」
「もうっそんなこといわれると、困るじゃない。はいっこれオミマイ」
ミニョに紙袋を押し付けたリタは、目で開けるように合図をする。
紙袋から丁寧に箱を取り出したミニョが静かに蓋を開けると、あっと声をあげた。
そこには、一粒がかなりの大きさの苺。
察するにかなり高価だろう・・・

当然ミニョも、動揺している。
「あの…」
「あら?イチゴ嫌い」
ミニョのリアクションがリタには少し不満だったのかもしれない。
だがミニョは大きく首を横に振ると、シヌに視線を寄越してきた。
「シヌオッパ…こんな高そうなものをお見舞いだなんて申訳なさすぎです」
つつましいミニョならではの言葉。
そのままリタに伝えると、ひどくがっかりした様子だ。

「それじゃ困るよ!!日本の親戚に無理言って取り寄せたんだからね」
そういって病室にやってきたのは、カイルである。
「日本て…リタどういうことなんだ?」
「それは…」オレが説明する。」
リタの話を遮ったアレクが、話し始めた。
自分とけんかをしたリタが、憂さ晴らしのような言動をここでしたことを
後でひどく後悔をしたらしい。
後日改めて病室を訪ねたいと思った時、お詫びを兼ねてミニョの好きそうなものを
見舞いの品として考えていたが、シヌにはここで怒られたので聞きづらかったといわれ
てしまった。
そんな時、ミニョの病室を頻繁に訪れているカイルからミニョがスイーツ好きという事を聞きつけ、このいちごを頼んだという話しだった。
 

拍手[19回]

PR
<< ROULETTE 23 897 |  896 |  895 |  894 |  893 |  892 |  891 |  890 |  889 |  888 |  887 |  ROULETTE 21 >>
HOME
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[09/25 まゆ]
[09/24 ゆぅぺん]
[07/06 まゆ]
[07/05 まるちゃん]
[06/01 まゆ]
最新記事
(05/11)
(02/12)
(02/12)
(12/28)
(12/28)
(12/04)
(11/15)
(11/02)
(11/02)
(10/21)
プロフィール
HN:
まゆ
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
忍者カウンター
忍者アナライズ
フリーエリア
◆ Powered by Ninja Blog ◆ Template by カニコ
忍者ブログ [PR]