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ROULETTE 23
「これって、すごい人気で日本国内でも品薄状態だよ。おまけに本来国内限定なんだけど…輸送コストもあるしね。」
カイルからの話は続く。リタは費用はいくらかかっても構わないといった。
だが…なぜそんなに…高級いちごならこの国にもあるはず。
「リタはさ、この苺の名前が気に入ったみたいだよ。『甘姫』っていうんだけどさ
SWEET PRINCESS のことじゃない?。ミニョのイメージにぴったりだってだから…」
「カイル!!おしゃべりな男は嫌われるわよ!!」
徐々に顔を赤らめてゆくリタ。
「もう素直じゃないな!!ツンデレ女王様♪」
「いい加減にしないとぶつわよ!!」
二人のやり取りは、まるで姉と弟の兄弟げんかのように見える。
おろおろしながら見ているミニョに、大丈夫だと教えてあげた。
「撮影が終わって、これ受け取りに行ってきたところ。オレ一人でも良かったけど
リタがこの目で確かめたいからって…ね」
「それを聞いたときは俺も驚いたんだ。お嬢様気質で人任せだったリタが自分で動くというのはめったにないからね。だから受け取ってやって欲しいんだ」
カイルの言葉を受けて、アレクが続ける。
「そうか…ミニョ…あのね」
事情を知ったシヌが再びミニョに話すと、少し涙ぐみながら頷いていた。
その後、リタに促されたミニョが苺をパクリ。
途端に、幸せそうな笑顔がこぼれた
「甘くて、すっごく美味しいです!皆さんも食べてください!」
「やったー実は食べたかったんだー」
ミニョの言葉に真っ先に食いつたカイルは、箱の苺に手を伸ばす早業を見せてくれた。
「本当に、甘くてとろけそうだよ♪」
「もうっアンタって子は…」
ミニョと同じような笑顔を浮かべるカイルに、リタは呆れつつも苺を一つ掴む。
「まっまあ…悪くないわ。この私の手を煩わせたんですから美味しくなかったら許せないけどね」
「それは良かった…リタに貶されないだけ光栄な苺だな…」
いまひとつ素直じゃないリタと、そんな彼女を愛しそうに見つめるアレク。
「リタさん、本当にこんなに美味しい苺をありがとうございます」
その後ミニョからリタへ感謝の言葉が告げられたが、リタは何故か少し不機嫌な顔をする。
「オンニ」
「え?」
小さく呟いたリタの言葉が聞こえなかったのか、思わず聞き返すミニョ。
「だから…オンニって呼んでも良いわよって言ったの!!」
少し大声でいったあと、恥ずかしそうに顔を逸らすリタ。
「あの…えっと」
「ミニョ…リタはね…きっとミニョのような可愛い妹が欲しかったと思うんだ…だから呼んであげようか」
シヌの言葉に頷いたミニョ。
「リタオンニ…ありがとうございます」
「そうよ…今日から妹にしてあげるわ♪」
ミニョをぎゅぅっと抱きしめるリタ。
(やれやれレ…ライバルが増えたかもな)
シヌは、苦笑するしかなかった。
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頑張り屋のミニョちゃんが、心配でたまらないシヌ。
それにミニョちゃんにはなにやら秘密が?気が気じゃないのかもしれません。
そんなときにふと思い出したのは、あの方(傍にいなくてもやっぱりその存在の大きさを痛感してます)
そして、やって来たアレク&リタ。
お詫びのプレミアム苺を持参したリタは、素直じゃない女王様でした。
だけど、あまりに可愛いミニョちゃんにすっかりメロメロですね。