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ROULETTE 1




運命は再び動き出した。



俺はどちらの道を選ぶべきなのか・・・


シヌに海外ドラマ出演のオファーが舞い込む。
ある大学病院を舞台に、医学を志す若者の群像劇。
3番手だが、異例の大抜擢だった。

だが、約1年に及ぶ撮影。
その間グループとしての活動は休止せざるを得ない。

「なぁ・・・シヌ、これはBIGチャンスだと思うがどうだ・・・?」
シヌの演技の才能に早くから注目していたアン社長は、熱心にこの仕事を進める。

迷いつつもシヌはこの話を受けることにしたのだ。

「えーシヌヒョン。1年も向こうなのぉ。やだよー」
「そんなこというなよ。シヌヒョンが決めたことなんだからオレ達は応援しないとだめだろう」
嘆くジェルミを宥めるのはミナム。
以前は自分の役目だったが、もう任せて大丈夫だろう

「身体に気をつけていって来い。まあお前のことだ心配はないと思うが」
テギョンらしい一言。

(心配ないか・・・お前はよく体調を心配されていたからな)
何気ないテギョンの言葉に、シヌは思い出す。
今でも自分の心に済み続ける一人の女の子のことを


シヌが決心した一番の理由

それは来月海外協力隊としての活動を終えて、再びこの宿舎に戻ってくるであろう
ミニョの存在。

テギョンがプロポーズをするということには、何となく気付いていた。
当人は隠しているつもりだろうが・・・
(本当に隠したら、絶対に気付かれないのに)

だからこそ・・・
自分の目の前で他の男に飛びっきりの笑顔を見せるミニョを見ることに耐えられそうもなかった。

(馬鹿な男じゃなくて・・・臆病な男)

だが、幸いにもこのポーカーフェースはそんな本心を見事に覆ってくれるのだ。

そして・・・シヌは海を渡った。


ドラマの舞台となったクリスフォード大学は、世界のランキングでも常にTOPの常連の名門である。

監督が理事長と旧友ということで、ロケの許可を得ることが出来たらしい。
もちろんメインロケは、塔続きの旧校舎であったが。

初日は、先ず顔合わせからだ。

主演のアレクとリタ。
同年代だがさすがに主演の二人は、オーラが違う。
テギョンが持つそれと良く似ているようだ。

「はぁ・・・オレこれが初めてだから緊張するな」
オーバーなため息をつきながら視線をよこしてきたのは、母が日本人というカイル。

「フルネーム知りたい?もっと仲良くなったら教えてあげるね?シヌ」
初対面だというのに、妙に懐くその姿にジェルミを思い出して笑みがこぼれた。


次に渡されたのは、白衣。
「「「 It looks great on you!」」」
シヌが袖を通すと、3人から声が上がった。
「うんうん、見た目だけなら一番医者っぽいね」
カイルのそれを褒め言葉と受け取っておくことにする。

そしていよいよ撮影開始となった。
緊張していたシヌだが、NGは一番少ない。
反対に多かったのは、言うまでもないだろう。

子供のころから健康には自信があったため、病院には見舞い意外では殆ど来た記憶がないシヌ。
だが演技とはいえ医療の現場に携わることで、病気の人の苦しみや辛さを少しだけ理解できるような気がした。


「シヌ帰ろう!!」
「いちいちくっつくな」
撮影が終わると絡み付いてくるカイル。
スキンシンップ過剰なところもジェルミとよく似ているようだ。

「細かいこと言わないの!!隣同士だろ」
アレクとリタは自宅からここへ通うが、シヌはそうは行かない。

撮影場所の近くに部屋を借りるという選択肢ももちろんあったが、
シヌが選んだのは大学の寮の空室。
普段の性格も含めての役作りのため。

『じゃあオレもそうしようっかな?』
何故かカイルも、スタッフに話をつけてシヌの隣の部屋をGETしたのであった。

台詞の練習につき合わされ、料理が苦手だといい食材を持って押しかけてくるカイル。
一人の時間を過ごすというシヌの思惑は、大きく外れることになったのだ。


そして撮影から1ヶ月が過ぎた頃。
早朝ロケを終えたシヌたちが院内を通りかかると、妙に騒がしい。


「ちょっとオレ探ってくるよ」
カイルが学生を捕まえて話をきいている。

「ヤバイらしいよ。数キロ先の廃工場で原因不明の爆発があって・・・工場自体は無人だったんだけど・・・アジア人の女の子が巻き込まれたって・・・」
「まぁ女の子ですって・・・それは可愛そうだわ」
カイルの話にリタの表情は歪む。

(アジア人の女の子?)
シヌのの脳裏に一瞬過ぎった考え。
だが、すぐに頭を振る。
そんなことはありえない・・・ここにいるはずなど無いのだ。

だが・・・
皮肉にもシヌの考えは的中した

担架に乗せられたその女性の姿は・・・
よもや見間違うはずが無い。

「ミニョ!!」
我を忘れて思わず担架に駆け寄った。

========================================
シヌに白衣を着せたくて、病院を舞台にしたドラマに出演させることにしました。

愛するミニョちゃんとの思いがけない再会。
次からお話は大きく動きます・・・多分。妄想の神降臨求む。(切望


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