忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

BITTER&SWEET 番外編


(はぁ・・・収まるところに収まってって感じだな)
二人がどうなったか、やっぱり気になり様子を窺っていたミナムは安堵した。
盗み聞きという行為は決して褒められたものじゃないが・・・


それにしてもシヌの声の甘いこと。
そしてチョコのことでジェルミにも嫉妬していたことを知って苦笑する。
(きっと悶々してたんだろうな)
自分達の前ではクールで大人なシヌを思うとおかしくて仕方ない。


(あ・・・そういえばケーキ)
ミニョから先に告白されたから、渡していないようだ。
日持ちがするといっていたから明日渡すのかと思っていたのだが・・・


【俺からもミニョに渡すものがあるんだけど・・・モアハッピー・バレンタインだよ】
ちょっと改まったシヌの声に続き、ガサゴソと箱を開ける音。


そして・・・
【わぁ・・・すごい】
感嘆するミニョの声。
スイーツ好きなミニョのこと、これ以上のサプライズはないだろう。
ケーキをぐるりと見渡すと、シヌと同様にパチリ。


【ああ・・・この匂いも残しておきたいですぅ】
すっかりミニョはハイテンションだ。
だが、やはり食べることも待ちきれない様子。


【お酒入りだから、食べ過ぎるなよ】
極端にアルコールの弱いミニョ。加入当日の夜にしでかしたことは後日ミナムも聞かされた。
まあ、ラム酒漬けのフルーツケーキだからそれほど心配もないだろうけど。


【美味しいです・・・見た目も味も・・・お店で売っているケーキみたい】
食べたミニョの素直な感想。


だが・・・急に沈黙が流れる。
(どうしたんだろう・・・)
すぐにお代わりを食べたいと言い出すのだと思っていたから、ちょっと怪訝に思う。


【ずるいです・・・シヌヒョン】
【え?何が】
(本当だよ何がだよ?)


ミニョの言葉にシヌはもちろんミナムも同じ反応をした。


【だって・・・私と違ってシヌヒョンは何でもできます。歌だってギターだって…料理まで】
あのエッグチョコを相当がんばって完成させたミニョだけど、クオリティの高いシヌのケーキにちょっとしたジェラシーかもしれない。
シヌはなんていって慰めるだろうか・・・


【それは当然だよ…俺はずっとずっとミニョだけを思ってたんだから・・・ミニョに喜んでもらえるスィーツを作れるために色々と勉強したんだよ】
シヌの言葉に、ミナムも思い当たる節があった。自分が知らないミニョの好みを何故か知っていたシヌだからこそ


【あ・・・そっそうだったんですか・・・・・私ったらシヌヒョンは器用だから簡単に作ったんじゃないかって】
申し分けなさそうな声に変わるミニョ。


【いや・・・いいんだ・・・けど・・ちょっとショックだな・・・そんな風に思ってたのか】
落ち込み気味のシヌの声に、今度はミニョがあせっている様子。


【ごめんなさい・・・本当に】
ひたすら謝るミニョ。
シヌは本気で言ってるわけじゃないことはミナムにはわかっていた。


(さて・・・すんなり許して仲直りかな?)
そんな風に思っていると、シヌの提案?が聞こえてきたのだ。


【いいよ・・・その代わり俺のお願い聞いてくれる?】
【はっはい・・・難しいことじゃなければ】
シヌは何をさせるつもりなのだろう・・・この場でいきなりなんてことはないだろう。
(どうせならベッドだよな・・・)
シヌだって男だし・・・考えることは自分と大差ないと思う。


【大丈夫簡単だから…このクッキーの言葉を10回言ってみて】
(え・・・そんなこと?)
少々拍子抜けをしながら、今度はミニョに反応を待った。


【はい・・・スキスキスキスキスキスキスキスキスキスキス・・・】
最後まで言い終わらないうちに、遮れられたミニョの言葉。


【シ・・・シヌヒョンたら・・・いきなり】
【だってミニョが・・・キス・・・って何度もいうからついね】
不意打ちのシヌのキスに、おそらくミニョが抗議をしたのだろう。


(ハハッそういうこと・・・アホらしい)
あの暗号のようなクッキー・・・の意味はわかったが・・・読み方が不明だったミナム。
ミニョのことだ・・・考えもしなかっただろう。


【そ・・・それはシヌヒョンが・・・意地悪です・・・ぐす】
恥ずかしさなのかついには泣き出したミニョ。


【ごめん・・・泣くなミニョ・・・ミニョとキスしたくて・・・ほら?ケーキもう少し食べるか】
形勢逆転か…シヌがおろおろしている。
最終的に食べ物で釣ったようだ。


(もう・・・好きにやってくれよ・・)
二人の様子にお腹いっぱいのミナムは、音を立てないように階下へと降りてゆく。


ミニョに対するシヌの態度の甘ったるさ・・・
A・N・JELLのクレバーなギタリストとしてのシヌの表情しか知らないファンがこれを見たらどう思うだろうか・・・
そんなことを思いながら部屋へ戻って行くのだった。


それから1時間あまりすぎた頃。
ノックに続いてシヌの声


「ミナム・・・良いか?」
「?どうしたの?」
ドアを開けると、シヌの腕の中にはほんのりと頬を赤くしたミニョが気持ちよさそうに眠っている。


「ケーキをちょっと食べ過ぎてしまって・・・」
いいよどむシヌをみて、ミナムは先刻のことを思い出す。
ミニョの機嫌を直すために、請われるまま食べさせてしまったのだろう。
光景が目に浮かぶが、そこはそ知らぬふりをする。


「気にしなくて良いよ・・・きっと寝不足もあったんじゃない?シヌヒョンにあげるチョコを作るためにあいつがんばってたからさ」
「そう・・か・・・あのチョコ」
ミナムの話に、シヌはなんともいえない嬉しそうな表情をする。


「ミニョも考えたよね?LOVEをチョイスしないんだから」
「ああ・・・日本語少しわかって良かったよ・・・おかげであんな可愛い告白に、すぐに気付けたからね」
部屋でクッキーを見たミナムの意味ありげな言葉に、サラリと返すシヌ。
冷やかしてやろうと思ったミナムだか、今のシヌには通じない。


「それで・・・今夜どうするのミニョ?オレのところで寝かせる?」
兄と妹だし、小さいころはいつも一緒だったミニョ。


「いや・・・このままアパートに連れて行くから・・・鍵を借りようと思ってきた」
ミナムの言葉に、シヌがほんの一瞬鋭い視線を寄越したのは気のせいだろうか?


「あ・・・そう・・・うん・・・ちょっと待って・・・」
チェストの上においてあった鍵をシヌの胸ポケットへ入れる。


「ありがとう・・・じゃあお休み」
「ううん・・・わ・・・悪いけど頼むね」
シヌの目が笑っていないような気がしたのは、きっと見間違いだと心に言い聞かせながら。


「今夜はそのまま泊まってゆくから・・・」
「えっそそれは・・・今日の今日でいきなり?早いんじゃ」
ミナムの頭の中でぐるぐる。


「フッそんな心配は要らないよ」
「そっそうだよね・・・何言ってんだオレ?」
先走った発言に、思わず反省のミナム。


「これからゆっくりと進んでゆく・・・ミナムが大切にしていた妹だから・・・俺も負けないくらいにそうしようと思ってるよ」
真顔で言ってのけるシヌ。
ああ・・・やっぱりこの人しかいない…改めてミナムは思う。


「あ・・・けーき・・・ぜ~んぶわたしのですよ」
「うん・・・わかったわかった。ちゃんと残しているよ。明日また食べような」
不意に聞こえたミニョの寝ぼけ声。
愛しそうにあやしながらシヌが何度も頬をなでるのだ。


(ああ・・・もう好きにしてくれよ!!)
感動したと思ったら、これだ。
今後シヌの溺愛振りは、エスカレートしてゆくに違いない。


(やっぱり・・・今年中に絶対に彼女作ろう!!)
ミナムは心に誓うのだった。


=========================================
ミナムから見た二人です。
シヌミニョの甘~い様子は、基本苦手なのでこれが限界です。
お許しを・・・
この次は、後書きになります。

拍手[48回]

PR
<< Lay it down 7 872 |  869 |  871 |  870 |  867 |  868 |  855 |  854 |  853 |  851 |  850 |  BITTER&SWEET 最終話 >>
HOME
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[09/25 まゆ]
[09/24 ゆぅぺん]
[07/06 まゆ]
[07/05 まるちゃん]
[06/01 まゆ]
最新記事
(05/11)
(02/12)
(02/12)
(12/28)
(12/28)
(12/04)
(11/15)
(11/02)
(11/02)
(10/21)
プロフィール
HN:
まゆ
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
忍者カウンター
忍者アナライズ
フリーエリア
◆ Powered by Ninja Blog ◆ Template by カニコ
忍者ブログ [PR]