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ミナムの一番長い日



冬にしては暖かいその日



 


ANJELLの宿舎では、早朝からけたたましい声が響き渡った。


 


「っもーどうしてだよーどうしてテギョンヒョンなんだよー!!」


ソファにおいてあったお気に入りのクッションを投げつけるその人物はジェルミである。


 


「っるせーよ!!それはオレがいう台詞だろうがー!!」


ジェルミに負けず劣らずの大声のミナム。


 


今日は、ミナムのたった一人の妹のミニョの結婚式なのである。


だが、この喜ばしい日にジェルミとミナムは何故か溜息の連発。



 


『ごめんね…オッパ』


『いいんだ…ミニョが決めたことだもんな』


ミニョからこのことを聞かされたときは、はっきり言ってショックだったが


異論を唱えることも出来ず、納得するしかなかったのだ。


ミニョなりに考えた末のことに違いないだろうから…


 


(シヌヒョンはどう思ってるんだろう)


ミニョに聞いたところ、特に変わった様子はないといっていたが…


 


いつまでもこうして二人でいるわけにも行かず、とりあえず朝食をすませることにした。


 


しばらくして…宿舎のチャイムがなる。


 


「おはようございます…ジェルミさん、ミナムさん」


ドアの向こうにいたのは、ジュナ。



 


「あっジュナ!!あれ?一人?モリョンは??」


「ああ…モリョンはソンジェがちょっと…話は車の中で」


二人一緒じゃないことを尋ねられるとジュナは軽く溜息をつきつつ二人を促した。



 


「ねぇねぇもしかしてソンジェも、ショックだったの?ミニョのこと?」


後部座席のジェルミが身を乗り出しながらジュナに話しかけると、ルームミラー越しに頷くジュナの姿が映る。


 


「ソンジェのやつ…親友が一番ミニョさんと近い存在だと思い込んでいて、違うと分かったら大泣きしたようです。しまいには今日の式も出ないって言い出して。


ring bearerだっていうのに」


困り果てたモリョンがミニョに相談したところ、どうやって説得してくれたか分からないがソンジェの機嫌は直ったらしい。


 


「ふぅん…随分切り替え早いんだな…やっぱり子供だからかな?」


かつてミニョに失恋したジェルミは、怪訝な様子だ。


 


「ジュナはさ…あのミニョのこと…」


ミナムがさりげなく尋ねてきたのだ。


 


「そうですね…卒業よろしく…花嫁を略奪しようかなと」


「「ええー!!だめだよそれは!!」」


ジュナの言葉に、ジェルミとミナムの声がみごとにハモッた。


 


「冗談ですよ…ミニョさんのお相手に殺されるのはごめんですからね」


そういってクスクス笑い出すジュナをみて、安堵の声を上げたのだった。


 


 


その後式場につくまでは、互いの近況を話し合う。


ジュナがグループを抜けてしばらく経ったが、友人としての付き合いは続いていた。


いや…寧ろ今のほうが気楽に付き合っているのかもしれない。


 


やがて車は、ホテルに併設されたチャペルへと到着する。


 


「ねぇねぇ、ミニョに会いに行こうよ!!」


「おいっ待てよ!!」


車を降りた途端に駆け出すジェルミの後を追いかけようとするミナムだが、ふと足を止めた。


 


「ごめんジュナ…ありがとう」


「いえいえ…ほら急いで下さい!!ジェルミさんよりも先にミニョさんの花嫁姿をご覧になりたいでしょう?」


相変わらず気が利くジュナに感心しつつ、ミナムも全速力で走ったのだった。


 


そしてミニョのいる控え室の手前でジェルミを追い越す。



「ハァハァ…オレが先にゆく!!」「えー一緒に入ろうよ」


「いーや!!お前は数分後だ」「ケチ!!」


 



入り口での小競り合いが、部屋の中に響いたのだろうか。


 


「ちょっと何やってるのよ、こんな大事な日に揉めるのやめなさい!!」


ドアを開けたモディの呆れた声。


 


「ごめんヌナ…ミニョは支度出来てるの?」


そういって部屋の奥へと進むと…


 


「オッパ…どうかな?」


くるりと振り向いたミニョ。


 


「あ…うん…」わー!!ミニョすっごく綺麗だよー」


言葉が出ないミナムに代わって、賞賛の嵐のジェルミ。



 


「ホント?ジェルミ?」


「うん!!お姫様みたいだよ…ミナムってばミニョがあんまり綺麗だから何もいえないみたいだね」


口惜しいけど図星だ。



 


「オレとおんなじ顔なんだから綺麗なのは当たり前だろう!!」


ミニョの隣に立ち、iphoneでパチリ。


 


「あーずるい!!オレもミニョと撮る!!」


「だめだ!!兄貴の特権だよ」


ミニョの前ではすっかりお約束のやりとりだけど、今日はジェルミに感謝してるんだ。


 


だって…寂しい顔をミニョに見られずに済むからね。


 


小さな頃から苦労ばかりしてきたミニョ。


自分の身代わりで、いきなりアイドルバンドで活動もしいてしまった。


まあ、その代わり兄が嫉妬するくらいにいい男に溺愛されまくってるけどね。


 


「ミニョ…旦那に泣かされたら、いつでもいえよ!!」


ちょっと強気に兄らしい発言をすると・・・


 


「その心配は無用だ!!」


もう一人の主役のお出ましだ


 


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シヌミニョですが、肝心のシヌが出てきません。
お許しくださいませ…続きは、妄想できればがんばります。 


 


 


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