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NEW YEARS DAY 4


こうして歌うとミニョが思い出すのは、A.N.JELLのみんなと初めて出会ったときのこと


テギョンにいきなり『歌え!』といわれ、わけも分からずに賛美歌を歌った。
小さい頃から、どんな曲よりも自分に馴染んでいたから


やがて、無表情でミニョの歌を聴いていたハルカに変化がでて来た。


「すげぇ・・・」
ぼぞっと呟くとその歌声に聞き入っている。
そしていつのまにか、その目に涙が浮かんできた。


「くっなんだよ・・ダセェーよ」
ゴシゴシ目を擦ろうとするハルカの頭に、不意に帽子がすっぽりと被らされていた。


「そんな風に擦ったら色男が台無しだぞ!!」
呆れた様子のジョー。


だが、そんなジョーの行動に驚いているもはリック
「おい?ジョーその帽子って・・・」


ハルカに被らせている帽子は、ミニョから昨年のクリスマスプレゼントとして貰った大事な帽子。


「ああ・・・ミニョちゃんの愛・・あっいや真心がいっぱい詰まった帽子だ!!」
本当は愛情と言いたかったが、隣のシヌの視線が痛くて慌てて訂正する。


「まあ・・・とにかく少しの間貸してやるからな!!」
そう言って、頭をポンと叩く。


「ってぇーな・・・まあどうしてもっていうなら少しの間借りてやるから!!」
素直になれないハルカを見て、ジョーを初め皆苦笑していた。


「本物の天使の歌声だな」
「ああ・・・全くだ」
テギョンの言葉に大きく頷くのは、シヌ。


「オレには少し負けるけどね」
二人の会話にいつのまにかは言ってきたミナムだが・・・


「「黙れ!!エセ天使」」
軽く一蹴されてしまうのだった。


そしてミニョの歌が終わり、ロンが手を止めると静かに立ち上がって
俯いているハルカの目の前に立つ。


「おい・・どうだ?よかっただろう」
「ああ・・・あれで素人なんて・・・・」
ロンの問いかけに、双子の秘密を知らないハルカは素直な反応だ。


そしてその天使は、いつのまにかシヌの腕の中にいる。
ちょっと顔を赤らめたミニョと、大切な宝物のように包み込んでいるシヌ。


「ああ・・全く見せ付けてるとしか思えないな・・・神聖な場所だ程ほどにしろよシヌ!!」
ロンがでてゆくと、皆も続いた。


「シヌ・・・15分だけだ・・・良いな!!」
最後に出てゆくテギョンが声を掛けると。シヌは後ろでに手を挙げていた。


「あっシヌヒョン・・私たちも行かないと」
シヌの腕の中で、もぞもぞと身体を動かすミニョ。


「気にするな・・・テギョンが珍しく気を利かせてくれたんだから」
ミニョの顎を持ち上げると、啄ばむような口づけをする。


一度離れた後、今度はミニョの頭を抱え込み唇を貪る。
やがて・・・その激しさに、ミニョの膝がガクンと崩れそうになると
そのまま抱きかかえられて、尚もキスは続いた。


ようやく解放されたミニョに、シヌ少しだけ切ない表情で語った。


「これで・・リベンジ終わりだね」
「あ・・・」
沖縄のチャペルでのことだと、どうやら気づいたミニョ


「まだ終わってません・・・」
ギュウっとシヌの首に手を回すと思い切り背伸びをしながら、唇を押し当ててくる。
思いもかけない大胆なミニョの行動にシヌが目を丸くすると、我に帰ったミニョがぱっと離れた。


「やだっ私・・・」
顔中真っ赤にしながら、しゃがみこむミニョ。


「ミニョ・・・神聖な場所でこれ以上はまずいから、続きはベッドでね」
耳元で囁かれるシヌの声が、やけにかすれて聞えてきた。


二人で手を繋いで、教会を出るとシヌの車の前に誰かが凭れている


「1分5秒のオーバーだOVERだ・・」


「やたらと正確だな・・・1分でいいだろう?」
こういうときでも神経質なテギョンに、シヌは呆れている。


「全く・・みんなと一緒に戻ればよかったのに・・・わざとか?」


「何のことだ?あの人数じゃ窮屈だから降りただけだぞ」
シヌの皮肉も気にも留めずに、しれっと答えるテギョン。


そしてシヌから鍵を取ると、そのまま後部座席へと乗り込む。


「少し寝る・・・ついたら起こせ・・・ああミニョ・・運転中シヌに変な気を起こされないように気をつけろよ」


「テギョン!!」「テギョンさん」
シヌとミニョの抗議の声を無視すると、テギョンはそのまま目を瞑っていた。


ホテルに着くと、真っ直ぐにリハーサル室に向かう3人。


「ハルカ!!入るのが遅い!!」
「はい!!すみません」
ドアを開けた途端に聞こえてきたロンの怒声と、ハルカの声。


その様子に、ミニョは一人オロオロしている。


「シヌヒョン・・・ハルカさん大丈夫でしょうか?」
つながれたシヌの手をしっかりと握り、会ったばかりのハルカを案じる優しいミニョ。


「ああ・・・ほら?よく見てごらん。ハルカの顔は嬉しそうだろう?」


いわれて見ると、怒られながらも楽しそうにプレイしている。


「手の掛かる奴ほど、可愛いってことだ・・・」
テギョンも同調する。


休憩タイムになったので、シヌがロンのところへと駆け寄る。
ハルカがいるなら、自分の出る幕はないだろうから・・・


「待って・・・!!」
意外な声がシヌを引きとめた


「えっハルカ・・・どうした?」
何故かシヌの手を強く掴むハルカ。


「お願いします・・ツインギターでシヌさんも参加してください」
神妙な面持ちで頭を下げるハルカに、シヌは戸惑う。


「だけど・・・この曲」
キターは一人で十分な筈だ。


「すみません・・ちょっと時間下さい」
ハルカは譜面を取り出すと、赤いペンの上書きを加えてゆく。


そして10分後・・・
「シヌさん・・・これでどうですか?」


ハルカから渡されたのは、ツインギター用にアレンジしたもの。
渡された譜面を見て、シヌは驚いた。


こんなに短時間で、アレンジを考えるのだから。


「どれどれ・・・ガキのくせに・・・やるなあ」
シヌから譜面を取り上げたロンも、感心しているようだ。


「せっかくガキが頑張ったんだから・・やっぱりシヌも入れ!!」


「え・・・おい・・・ロン!!」
結局シヌも、加わって5人でのスペシャルライブとなった。


その後・・テギョンが部屋を出てゆくと、ミナムとジェルミも後に続いた。
残されたのはミニョだけ。


「ミニョ・・・遅くなるから部屋に戻って休んでろ」
シヌが諭すようにいい聞かせると、何故かミニョは首を横に振る


「あの・・・邪魔をしないので・・観てていいですか?」


「でも・・・」
ミニョの気持ちは嬉しいが、疲れるのではないかとシヌは心配になる。


「シヌ・・・オレは構わないぞ・・・それにミニョちゃんが目の前で観てると・・・テンションの上がる奴がいるしな」
後ろのジョーに視線を移すと、上機嫌でスティックを回している。


「分かった・・・風邪ひかないようにしろよ」
傍にあったブランケットを掴むと、ふわりとミニョに掛けた。


こうして5人のプレイに見入っていたが、もともと早寝のミニョ。
いつのまにか、ウトウトし始めていた。


「よし・・・何とか行けそうだ!!後は明日もう一度会わせようぜ」
ロンが終了を告げた。


すぐにシヌはミニョの様子を伺う・・・


「ミニョ・・・ミニョ」


何度か身体を揺するが、起きる気配はない。
仕方がないので、そのままホテルの部屋まで運ぼうと思っていると・・・不意に、シヌの掌にカードキーが載せられた。


「この隣の部屋使っていいぞ」
「えっ・・・いや悪いよ・・・それにロンはどうするんだ?」
既にロンが用意してくれた部屋があると、シヌは固辞する。


「ああ・・大丈夫だ他に部屋はあるし、今夜はジョーの部屋に行くからいい・・・じゃあ明日頼むな!!」


「ロン・・待て!!」
シヌの呼ぶのも聞かずに、あっという間にロンはその場から立ち去ってしまった。


「ったく・・・好意はありがたく受け取ってゆくよ」
苦笑しつつも、ミニョを抱き上げると隣の部屋へと運んだ。


ベッドに横たえたミニョを眺めながら、衣服を少し緩めてやると無意識だろうがミニョから甘い声が漏れた。


「ミニョ・・・起きないと襲うぞ」
悪戯半分で服を脱がせ始めると、露になるミニョの肢体を目の当たりにしてシヌの雄の本能が芽生えてくる。


そして・・・そのままミニョを一糸纏わぬ姿にしてしまった。


 


「ん・・・」
やがて、ミニョは心地良い身体のゆれを感じながらうっすらと目を開けた。


「へっシヌヒョン?」
自分を見下ろすシヌがいたのだ。


「ミニョ・・やっと起きたのか」
シヌはあからさまに溜め息を漏らす。


「な・・なにしてるんですか?」


「ん?・・・何ってまだ何も・・・これからだな・・良かった年を越す前にミニョが起きてくれて」
悪戯っぽく笑うと、当たり前のようにシヌの舌と手がミニョの身体を這う。


「ダメですってば」


「ん?でもミニョのカラダはダメって言ってないよ」
ミニョの抵抗をものともしないシヌ。


ベッドサイドのデジタル時計を見ながら・・・
カウントを取り始めた。


「・・・・・・・30・・・・10・・・・・3・2・1・・・Happy New Year・・・ミニョ」
チュッと軽く口づけるシヌ。


「今年の初キスだな」


「も・・・もう・・・知りません」
恥かしさで軽くぶつマネをするミニョの手を簡単に捉えてしまう。


「じゃあ・・・次は初・・・」
「え?・・・やっもう」
シヌの言葉に抗うことなど出来ないミニョは、いつもより熱を帯びた其れを必死に受け止める。


時折苦しげに顔が歪むシヌ・・・


だが・・・そんなシヌを見ることが出来るのは自分だけだと思うと誇らしげな気持ちになる。


「シヌ・・・すき」
ミニョから出た言葉で、一瞬シヌの動きが止まる。
そして圧倒的質感が、ミニョの中に広がった。


「ミニョ・・・オレはもっとすき・・・」
その後いくつもの愛の言葉がシャワーのように降り注いできたが、いつのまにかミニョは意識を手放してしまった。

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